Intel、ベンチマークを否定する。AMDに勝てないからか
COMPUTEX 2020のビデオメッセージにて、Intelの最高経営責任者(CEO)であるボブ・スワン氏はベンチマークを否定する発言をしました。
Intel ボブ・スワンCEOの発言
(コロナ禍である)この瞬間は、業界の焦点を『ベンチマーク』から、弊社が作り出す『テクノロジーのメリットと影響』へと移行する機会だと捉えています。 パンデミックは、企業や消費者のニーズの変化に対応できるように、目的に合わせてテクノロジーを構築する必要性を浮き彫りにしました。そのためには、顧客志向の考え方でニーズを先取りしてソリューションを開発する必要があります。 弊社はこのような考えのもと、世界中の企業や社会にプラスの効果をもたらし、最適化することを目標としています。 |
どういうことかと申しますと、驚くことにボブ・スワン氏は「ベンチマークでCPUを判断するのはやめよう」と言っているわけです。
PCゲームや動画エンコード、その他各種演算処理において、ベンチマークはCPUを評価する上で明確な指標となります。それを否定するなら、いったい何を基準にCPUを評価すれば良いのでしょうか。同氏曰く、『テクノロジーのメリットと影響』を見てもらいたいそうです。
ハッキリと数値で表れるベンチマークを差し置いて、なぜこんなふわっとした基準で見てもらいたいのか。それは、性能でAMDに勝てないからでしょう。
近年、IntelはAMDに勝てていない場面が多く見られます。AMDのデスクトップ向けメインストリームプロセッサーは7nmで16C32Tに到達している中、Intelは未だに14nmで10C20Tに留まっています。今回の発言は、こういった不利な状況を覆い隠すためのもののように見受けられます。逆の立場なら絶対にこんなことは言わないでしょう。
今回のIntelの発言に対して、海外メディア各所のコメント欄では以下のようなネガティブな意見で溢れています。
・こんなことを言ってると人々はもっとベンチマークを注視するようになるでしょう。 ・Intelのパフォーマンスは良くありませんが問題ありません、って言いたいの? ・何言ってんだこいつは。自分がどんな会社に勤めているか知っていてこんなことが言えるなんて驚きだ。 ・おっ、そうだな、ベンチマークなんかよりもセキュリティに争点を移すべきだな。 ・Intelにはこの数年間、非常に悪いCEOがいたが……この人も去るべきだ。 ・こんな人がIntelのCEOをしているのが不思議だ。 ・私は最高のジョークと共に始まる1日が大好きです。よくやったIntel! ・この発言からして次の製品が心配になるな……。 |
ザッと見た限りではボブ・スワン氏の発言を肯定・支持する意見は見られませんでした。そりゃそうでしょう。
少なくともIntelはゲームパフォーマンスにおいてはまだAMDよりもアドバンテージがあります。こんな情けない発言で誤魔化そうとせず、性能でAMDに勝てる部分を攻め、そして追いつき追い越す未来像を語ってもらいたいものです。