GeForce RTX 5070のゲームベンチマーク公開!DLSS 4 Multi Frame Generationが強すぎる。MFGを使うか否かで評価が変わる
海外メディアのTechPowerUpにより、NVIDIA GeForce RTX 5070のゲームベンチマークが公開されました。そのリザルトがこちら。
仕様
RTX 5090 | RTX 5080 | RTX 5070 Ti | RTX 5070 | |
プロセス | 4nm (TSMC 4N) | |||
アーキテクチャ | Blackwell | |||
CUDA | 21760 | 10752 | 8960 | 6144 |
ROP | 176 | 112 | 96 | 80 |
Boost Clock | 2407MHz | 2617MHz | 2452MHz | 2512MHz |
Base Clock | 2017MHz | 2295MHz | 2295MHz | 2325MHz |
VRAM | 32GB GDDR7 28Gbps 1792GB/s | 16GB GDDR7 30Gbps 960GB/s | 16GB GDDR7 28Gbps 896GB/s | 12GB GDDR7 28Gbps 672GB/s |
Memory Interface | 512-bit | 256-bit | 256-bit | 192-bit |
消費電力 (TGP) | 575W | 360W | 300W | 250W |
MSRP | $1999 | $999 | $749 | $549 |
国内価格 (アリバイ価格) | 393,800円 | 198,800円 | 148,800円 | 108,800円 |
発売日 | 2025年 1月30日 | 2025年 1月30日 | 2025年 2月20日 | 2025年 3月5日 |
テスト環境
テスト環境
- CPU: Ryzen 7 9800X3D
- メモリ: 32GB (16GB x2) DDR5-6200 28-36-36-76 UCLK 1:1
- マザーボード: MSI X870E Carbon Wi-Fi
- グラボ: GeForce RTX 5070 Founders Edition
- Resizable BAR: NVIDIA、AMD、IntelのグラボすべてでResizable BAR有効
- 使用OS: Windows11 Pro 24H2 (VBS有効、デフォルト設定)
GeForce RTX 5070 ゲームベンチマーク
Alan Wake 2
アサシンクリード ミラージュ
サイバーパンク2077
ELDEN RING (エルデンリング)
Starfield
バルダーズゲート3
黒神話:悟空
25タイトルでの平均フレームレート
▼ 1920 x 1080
▼ 2560 x 1440
▼ 3840 x 2160
DLSS 4 Multi Frame Generation (2560x1440)
以下のグラフ『Frame Gen x2』は通常のFrame Generation (FG)です。『Frame Gen x3』『Frame Gen x4』はGeForce RTX 5000シリーズ専用機能のDLSS 4 Multi Frame Generation (MFG)です。『x3』は文字通りに3倍、『x4』は4倍を表しています。
なお、GeForce RTX 4000シリーズはMulti Frame Generationに対応しておらず、通常のFrame Generation (x2)しか使用できません。
Alan Wake 2 (DLSS 4 MFG)
ホグワーツ・レガシー (DLSS 4 MFG)
スター・ウォーズ 無法者たち (DLSS 4 MFG)
Dragon Age Veilguard (DLSS 4 MFG)
(Source:TechPowerUp)
まとめ
ネイティブゲーム性能
GeForce RTX 5070の25タイトルの平均フレームレートは、1080pが154.6 fps、1440pが114.3 fps、4Kが65.8 fpsです。前世代のGeForce RTX 4070と比較すると以下のような具合です。
▼RTX 5070 vs. RTX 4070 ネイティブ性能
- 1080p: 平均+19.1%
- 1440p: 平均+21.5%
- 2160p: 平均+24.8%
GeForce RTX 5070は、GeForce RTX 4070から19.1~24.8%、ネイティブ性能が向上しており、新世代として確かな進化が見られます。
前世代のワンランク上のGeForce RTX 4070 SUPERと比較するとどうでしょうか。
▼RTX 5070 vs. RTX 4070 SUPER ネイティブ性能
- 1080p: 平均+4.4%
- 1440p: 平均+5.4%
- 2160p: 平均+8.0%
ネイティブ性能の向上率は4.4~8%とそこまで大きな向上は見られませんが、それでもワンランク上のGeForce RTX 4070 SUPERより上回っています。
さらに上位のGeForce RTX 4070 Tiと比較したのが以下。
▼RTX 5070 vs. RTX 4070 Ti ネイティブ性能
- 1080p: 平均-3.3%
- 1440p: 平均-2.8%
- 2160p: 平均-0.7%
GeForce RTX 5070はGeForce RTX 4070 Tiより0.7~3.3%低いゲーム性能となっています。
GeForce RTX 5070は、前世代のGeForce RTX 4070よりも約20%以上向上し、GeForce RTX 4070 SUPERとGeForce RTX 4070 Tiの中間に位置するネイティブゲーム性能を備えています。
GeForce RTX 5070とGeForce RTX 4070 Tiの性能差を見るに、オーバークロックモデル(OCモデル)であれば、GeForce RTX 4070 Tiを超えてくる製品の登場も期待できそうです。
DLSS 4 Multi Frame Generation
それでは、GeForce RTX 5000シリーズの売りの1つであるDLSS 4 Multi Frame Generation (MFG)を使用した場合はどうでしょうか。
本来ならGeForce RTX 5070と比較するべきグラボはGeForce RTX 4070なのですが、2ランク上のGeForce RTX 4070 Tiを楽に超えるフレームレートを叩き出しています。GeForce RTX 4070 Tiとの比較が以下。
▼RTX 5070 Ti MFG vs. RTX 4070 Ti FG
- Alan Wake 2: +58.2%
- ホグワーツ・レガシー: +49.6%
- スター・ウォーズ 無法者たち: +50.5%
- Dragon Age Veilguard: +72.3%
上記4タイトルにおいてGeForce RTX 5070 Tiは、Multi Frame Generationを使用することで、Frame Generationを使用したGeForce RTX 4070 Tiを49.6~72.3%も上回っています。
価格
GeForce RTX 5070のNVIDIA希望小売価格は税込108,800円からとされています。しかし、これはいわゆる『アリバイ価格』となり、実売価格はこれよりも高価になるでしょう。残念ながら本記事を執筆中には実売価格がいくらになるかはまだ判明していません。(※アリバイ価格とは、初回時に一部メーカー製品をごく少量だけ希望小売価格で販売して安く見せかける行為。実際に希望小売価格(アリバイ価格)で購入できる人はほとんどいません)
価格の比較をしたいところですが、GeForce RTX 5070の実売価格は今のところ不明で、GeForce RTX 4070以上は終売している状況です。まだ在庫があった頃の価格は、GeForce RTX 4070 SUPERが税込95,000円前後(2024年12月頃)、GeForce RTX 4070 Tiが税込110,000円前後(2024年5月頃)でした。
筆者の予想で恐縮ですが、GeForce RTX 5070の実売価格は、NVIDIA希望小売価格よりも最低でも1割以上高価になるものと思われます。おそらくは安価なモデルでも税込12~3万円台前後になるのではないでしょうか。
総評
価格からの続きになりますが、実売価格12~13万円前後と仮定して、GeForce RTX 5070にその価値を見出せるかどうかはDLSS 4 Multi Frame Generationが大きな肝です。
DLSS 4 Multi Frame Generationを使えば、圧倒的なフレームレートを得られます。本当に尋常じゃない伸びっぷりです。DLSS 4 Multi Frame Generation対応ゲームはすでに70タイトル以上あり、今後も新作タイトル等でどんどん対応していくでしょう。DLSS 4 Multi Frame Generationを積極的に使っていこうと思っている人にとっては、間違いなく魅力的な製品です。
逆に、GeForce RTX 4070 SUPER以上をお持ちの人で、DLSS 4 Multi Frame Generationを使用しないのであれば、GeForce RTX 5070へと買い換える理由は非常に乏しいと思います。
GeForce RTX 5070は、DLSS 4 Multi Frame Generationを使用するかどうかで、人によって大きく価値・評価が変わってくるグラボと言えるでしょう。